各務原市介護保険サービス事業者協議会会長の稲垣光晴で御座います。当協議会は、平成18年(2006年)に発足し、本年で20年という節目を迎えました。ここまで活動を継続してこられたのは、日頃より温かくご支援くださっている多くの皆さまのお力添えの賜物と、深く感謝申し上げます。とりわけ、会員の皆さまのご協力、各務原市役所の皆さまとともに、地域にしっかりと軸足を置き、共に歩み、共に考えてこられたことは、私たちにとって大変心強く、改めてその意義の大きさを実感しております。
介護保険制度が施行されてから、すでに25年が経過しました。その間、3年ごとの制度改正も8回に及び、現場では常に変化への対応が求められてきました。そのたびに記録や入力作業の負担が増え、業務の進行も複雑化するなど、会員の皆さまには多くのご苦労があったことと拝察いたします。一方で、タブレット端末やインカムといったICT機器の導入が進み、業務の効率化を図る事業所も増えてまいりました。そうした時代の変化に対応し、創意工夫を重ねて取り組んでおられる会員の皆さまの姿勢に、改めて敬意を表したいと思います。
さて、近年特に深刻化している課題として、「人手不足」が挙げられます。限られた人員の中で、一部の職員に業務が集中し、介護現場全体の負担が増しているのが現状です。そのような状況の中、近年の制度改正により「BCP(業務継続計画)」の策定が義務づけられました。今後、この取り組みの重要性はますます高まっていくものと考えています。私自身、このBCPを考える上で、特に欠かせない視点は「自助」ではないかと感じています。「自助・共助・近助・公助」という言葉がありますが、まずは私たち自身、そして家族が自らの安全を守ることが、支援を継続していくための第一歩であると思います。
また、利用者やご家族の皆さまにも、可能な範囲で「自助」の意識を持っていただくことが、これからの時代には一層重要になってくるのではないでしょうか。もちろん、特に支援を要する方への対応は、これまでと同様に丁寧かつ的確に行っていく必要があります。しかし、すべての方に一律の支援を提供することは、現在の人員体制では非常に困難な状況となっているのも事実です。決して「命の取捨選択」を迫るものではなく、平時からご家族と話し合い、あらかじめ合意形成を図っておくことが、有事の際により円滑な対応へとつながるのではないかと考えております。このような地域の課題について、今後とも協議会の会員と一緒に顔を付け合わせながら対応できればと考えています。
今後とも各務原市介護保険サービス事業者協議会をどうぞよろしく申し上げます。
令和7年6月7日
各務原市介護保険サービス事業者協議会 会長 稲垣 光晴